★★★
日曜日、カーテンの隙間から差し込んでくる太陽の光で目を覚ました。
まだ朝だというのに暑い。
背中に汗を掻いていた。
夏が近づいてきているのを感じる。
俺はベッドから起き上がると、勢いよくカーテンを開けた。
ついでに窓を開くと、夏の生ぬるい風が頬にあたった。
ふと見ると、庭の花壇の前で誰かが座り込んでいた。
俺の部屋からはその誰かの頭だけが見える。
そのまま見ていると、その人物が額の汗を拭うためにほんの少し顔を上げた。
「そわ?」
俺は小さく首をかしげながら、花壇の前で必死で作業をしている奏葉の頭をじっと見つめる。
しばらくそのまま見ていたが、不意に服を着替えて庭へと降りてみる気になった。