「ふざけないでよ!あたしはその女がうちにいることを認めてない。それなのに、どうしてその女の親戚までうちに来るのよ!?」

「奏葉……」

父の諭すような声がする。

だがそれを押し返すように私は続けた。


「だいたい、部屋だってないじゃない。どうするのよ!」

「部屋は奏葉の隣が一つ空いているだろう。少しの間だし、あの部屋を掃除して使ってもらおうと思ってる」


私の隣の部屋――…?

父の口からその言葉が出た瞬間、ふつふつと湧き上がっていた私の怒りは頂点に達した。

              
私の隣の部屋を掃除して、あの女の同居人が使う?

バカにするにも程がある。

それがパパの本音――!?

      
私は父とあの女を憎しみを込めて睨みつけた。


「あの部屋は……私の隣の部屋はママの部屋よ!あの部屋に他人を入れるなんて、絶対許さない!」