「けど、別れてからは何の関係もないし。ほとんど喋ったこともないからな」

私が一人で納得していると、真宏が言い訳がましく主張する。


「でも、彼女の方はまだあんたに未練があるみたいだったけど。ちゃんと別れたの?」

目を細め、疑いの目で真宏を見る。

すると真宏は拗ねたように唇を尖らせた。


「は?別れたも何も。振られたのは俺の方だし」

「そうなの?」

真宏の口から出た言葉が意外で、私は目を細めて彼の横顔を観察する。


「案外モテないんだ」

ひとり言の様につぶやくと、真宏がかっと顔を赤くして私の方を睨んだ。

「うるせぇ。お前には関係ないだろ!」

本気で怒っている真宏を見て、にやりと笑う。


今朝からかわれた仕返しだ。

何だか気分が少しだけスカッとした。