「東堂 若菜とあんたはどういう関係?彼女、中学のときの茉那のことまで誰かに聞きつけて知ってた」
こちらを伺うように見つめてくる真宏の目をまっすぐに見つめ返す。
「私が見る限り、彼女はあんたに執着してる」
私がそう言うと、真宏は困った顔をして髪の毛を指でくしゃりと掻きあげた。
「あぁ」
何か考えている様子で、真宏は髪の毛を何度もくしゃくしゃと掻き乱す。
そして、ひどく面倒くさそうに言葉を吐き捨てた。
「元カノ」
「は?」
真宏の言葉が東堂 若菜とうまく繋がらず、眉を顰めて問い直す。
「だから!元カノ」
怪訝そうな顔をしている私に、真宏がもう一度面倒くさそうに繰り返した。
「高一のとき付き合ってた。ちょっとだけだけど」
そこまで言われて、私はようやく真宏の言葉の意味を理解した。
東堂 若菜は真宏の元彼女。
それで下の名前で親しげに呼び合っていたのか。