茉那のことを馴れ馴れしく呼び捨てにしている若菜。
私は茉那が私と真宏の関係を若菜に話したことを責める気にはなれなかった。
茉那はこれまでずっとクラスで浮いていて、今のクラスでも私ぐらいしかまともに話す相手がいない。
そんな状況だから、クラスでも目立つ存在である若菜に親しげに話しかけられてきっと舞い上がってしまったんだろう。
だから茉那は、何故突然若菜が彼女に親しげに話しかける気になったのかというところまで言及していないはずだ。
茉那の素直な性格は好きだが、人に対して少し疑いを持てるくらいには歪んでもいいんじゃないか。
私はそう感じてしまう。
若菜が茉那に親しげに近づいてきたのも、今私に話しかけてきているのも、目的はただ一つ。
真宏だ。
私にはそれがすぐにわかった。