もう、どこにもママがいない。 頭ではちゃんと理解しているし、この目でもちゃんとママの死を確かめた。 だけどそれが事実だとするなら、そこにはあまりにも現実感がなさすぎた。 思い返しているママとの出来事も、それが今や思い出となっているとはどうしても思えなかった。 だから、泣くことなんてできなかった。