なぜこんなところで放課後まで寝てしまったんだろう。

ふと自分の体を見ると、制服ではなくジャージを身に纏っていた。


それを見て、少しずつ途切れていた記憶が甦る。


四時間目の体育の時間。

炎天下の中立っていると、意識が薄れ視界がぼんやりとしてきたことを思い出す。


まさか、体育の時間に倒れてそのまま……?


私はゆるゆると頭を振ると、ベッド脇に腰掛けた。

床に足を下ろすと、すぐそこに上履きがそろえて並べられていた。

それにそのまま足を通す。


立ち上がる前に、枕元にあるパンとジュースに視線を向けた。

誰かが持ってきてくれたのだろうか。
           
一番に思い浮かんだ顔は茉那だった。

茉那のことだから、きっと倒れたまま目を覚まさない私を心配していると思う。

私はパンとジュースを掴むと、立ち上がってベッドを取り囲んでいる薄いカーテンを開いた。