ため息をつき怒りの感情を抑えると、少し気になっていたことを奏葉に尋ねた。


「お前、昨日の夜ちゃんとメシ食った?」

「食べれるわけないでしょ?あんたに無理やり連れ戻されたんだから」

奏葉が俺を見て小さく鼻で笑う。


「でも、カオルさんがちゃんと夕飯用意してくれてただろ?」

カオルさんという名前を口にしたとき、奏葉の頬が一瞬だけピクリと引きつった。

       
「どうして私があの女の作ったものを食べないといけないのよ?」

奏葉が嫌悪感を顕わにする。


「とにかく昼はちゃんと食えよ?昨日抱えたときに思ったけど、お前ちょっと細すぎ」
            
何気ない気持ちで言うと、奏葉がぱっと頬を上気させる。


「何であんたそんなとこまで確かめてんのよ!」

「は?」

奏葉が真っ赤な顔で睨みつける。

その奏葉の反応が面白くなって、俺は口角を上げてにやりと笑った。


「何?俺のこと意識してんの?」

「はぁ!?」

俺の言葉に過剰に反応し、ますます顔を赤くする奏葉。

俺はニヤニヤと笑いながら奏葉を見た。