追いかけっこのようにして歩き続ける奏葉と俺。

そうして俺を無視しながら歩き続けていた奏葉だったが、小さな公園の前に差し掛かったとき、ようやく足を止めた。

立ち止まった奏葉が、不服そうな不機嫌な顔をして俺のを振り返る。


「いつまでついてくるつもり?いい加減帰ってよ」

「そんなこと言ったて、お前そんなカッコのままでどこまで行くつもりだよ?」

俺は奏葉に言い返すと、彼女の不揃いに切られた髪の毛を指差した。

そのめちゃくちゃの髪のままで歩いていたら、きっと誰もが奏葉のことを変な目で見るだろう。


「あんたには関係ないでしょ」

「関係なくないだろ?一応同じ家に住んでんだから!」

「勝手に居候してるのはあんたの方でしょ!?」


公園の前で、俺達はお互いを怒鳴りつけながら睨み合う。