「わ、悪い?ここは私の部屋なんだから、何したって勝手でしょ?」
睨むように真宏を見上げる。
見上げた私の顔を、真宏がじっと見つめてくる。
不自然なくらい長いこと私の顔を見つめる真宏。
「な、何よ?」
私は眉を寄せると、手の平で自分の頬を触った。
あんまり真宏がじっと見てくるので、顔に何かついているのではないかと気になった。
「いや、別に」
だが真宏は短くそう言っただけで、すっと私から視線を反らすと茉那の横に座った。
一体何なんだ。
私は学習机と向き合ったまま、しかめっ面になる。
真宏はそれ以上私に何も言わず、茉那や拓馬と世間話のような会話をし始めた。
それで、私も何だか釈然としない思いを抱えたまま、机の上に置いた参考書を開く。