「そうかな?去年の文化祭でプラネタリウムやってたのって天文部でしょ?」

私が尋ねると、蒔田が目を大きく見開いた。


「知ってたんだ?校舎の隅で細々やってた展示だったのに。お客さんもまばらだったんだよ」

蒔田は大きく目を見開いて、意外だという声を出す。


「でも、私は見に行った」

そう言うと、蒔田が笑いながら目を細めた。


「教室でもあんなに星が映せるんだと思って、驚いた」

蒔田に話しながら、去年茉那を無理やり引っ張って見に行ったプラネタリウムの展示を思い出す。

教室の中に張られた黒幕の中に映る星は、小さな頃プラネタリウムで見たものに比べると小さくて子供騙しだったが、それでも綺麗だった。


「もし興味があったら部活に遊びに来てよ。火曜日と木曜日の週二回活動してるから」

蒔田の言葉に小さく頷く。


「奏葉!」

そのとき、急に後ろから名前を呼ばれた。

振り返ると、廊下の少し先に走って駆け寄ってくる茉那の姿が見える。