真ん中の円盤をくるくる回すと、その季節のその時間帯に空に現れる星座がすぐに確認できる。
パンフレットと一緒にママが買ってくれたものだった。
買ってもらった当初はよくその星座早見盤を睨みながら空の星座を探していた。
いつの間にか、そうすることをやめてしまったけれど。
私は色褪せた星座早見盤の真ん中を指先でゆっくりと回した。
ママの星がここに載っていれば、いつだって空にあるそれを探し出すことができるのに。
そんなことを思ったが、すぐに自分の考えのバカらしさに気付いて苦笑する。
そうしているうちに、隣の部屋が静かになっていた。
真宏がやっと電話を終えたのだろう。
私の部屋には静けさが戻ってきていた。
私は星座早見盤を元のようにパンフレットの間に挟むと、机の上の棚に立てかけた。
気を取り直して、もう一度机の上に開かれたままの数学の問題集へと向かう。