私が手に取ったそれは、古びて紙の色合いが褪せてしまった一冊のパンフレットだった。

昔ママがまだ元気だった頃、家族四人で遊びに行ったプラネタリウムで買ってもらったパンフレット。

ドーム状の天井に写される無数の星に感動したのを今でも覚えている。


夜の星に見えるたくさんの星座。

そして、昔の人の星に纏わるお話。

そこで初めて、機械に写されたものだけど、天の川も見た。

それからしばらく部屋の窓から天の川を探したけれど、私の住む街の灯りが明るすぎてどれだけ探しても天の川は見えなかった。

初めて連れて行ってもらったプラネタリウムに興奮を隠せない私を見て、ママがパンフレットを買ってくれた。


それから……

私はその古いパンフレットを開いた。

パンフレットの間から出てきたのは、厚紙で作られた簡易の正座早見表。