あの女はほんとう飽きもせず、いつまでもこんなこと……

食卓の上に置いてあるのは、一人分の夕食だった。

それは今日の晩に用意された私の分の食事。


私があの女の作ったものを食べないことはわかっているはずだ。

それなのに、彼女は毎日毎日私の分の食事を作り続けている。



それで母親にでもなったつもり――……?

あの女に対する嫌悪感で軽く眩暈がした。

いい加減に諦めればいいのに。

どんなに努力して私の気を惹こうとしたところで、あの女は私の母親にはなり得ない。

そのことに彼女は早く気付くべきだ。



そんなことを考えていると、また喉が渇く。

私は蛇口を捻ると、もう一度コップにいっぱいの水を注ぎ渇いた唇へと運んだ。