駅前のマック。それがあたしたちの決まった待ち合わせ場所だった。


 きっともう、ここで待ち合わせをすることはないんだろうなと思いながら、悠斗を待つ。


 冷えて赤くなった指先を吐いた息で温めながら待っていると、遠くの方から見慣れた金髪頭が走ってくるのが見えた。


「ごめ、ホームルーム長引いて遅れた……っ!」


 膝に手をつきながら呼吸を繰り返す様子を見て、ここまで全力でダッシュしてくれたんだなとすぐにわかる。


 まあ、見えてたし。


「大丈夫。連絡もらってたし、あたしもそこまで待ってないよ」


 その言葉に、悠斗はまだ息を切らしながらも顔を上げた。


 見慣れた泣きぼくろのある顔、金髪、不安げな瞳。


 きっと今日で見納めだ。