靴が砂利と落ち葉を踏む音がやけに心地よくて、寒いけど足取りは軽い。
一瞬吹いたひときわ冷たい風がスカートの裾を揺らして、過ぎ去っていく。
「だいぶ寒くなってきたよね」
「クリスマスまでには付き合えるといいわね」
「うーん、ミヤコちゃんは可能性あるかもだけど。あたしはどうかなあ」
「諦めたらそこで試合終了よ」
「あはは、ミヤコちゃん、うちのお母さんとおんなじようなこと言ってるし」
笑い合いながら、あたしたちはどちらともなく手を繋いだ。
冷たい手からお互いの体温が伝わって、ぎゅっと固く握りあう。
まるでそれが決意の証みたいで、心強かった。
今日の放課後、悠斗に会う。
言うんだ、あたしの気持ちを。
そして、今日が終わったら伝えるんだ。
桐島さんに、好きだ、って。