ふたつめは、もちろん恋愛のこと。
恋愛のこと、というかは桐島さんのことだ。
あたしはこれまで、たくさんのことから逃げてきた。
一個目は中学の時に悠斗から逃げたこと。
あの時あたしは、なんで悠斗があんなことを言ったのか確かめることも理由を告げることもせず、一方的に別れを選んだ。
それを二年近く引きずってこの前やっとそれを解消することができたけど、あのときあの場ではっきり悠斗に「どうしてそんなこと言うの?」って聞ければ、こんなに長い間悩むことはなかったんだと思う。
二個目は桐島さんのこと。
これまで、悠斗のお兄ちゃんだからと桐島さんに想いを伝えることを躊躇していた。
だけど、それも結局逃げることと同じだって気が付いたんだ。