最終的に再度締結された契約内容は、週一回二時間の指導に変更になった。


 あたしの成績の伸び具合を考慮して、桐島さんとお母さんが話して決めた。


 聞くと、これくらいの指導日数が平均的らしい。


 いくら赤点が減ったと言えど、あたしはふたりが話すほど自分に自信が持てずにいる。


 もちろん、成績が上がるのは点数に反映されて目に見えてわかるから、前よりはマシになったのかなとは思うけれど。


 ……それになにより、桐島さんに会える時間が今までの半分より少なくなるんだと思ったら、急に不安になった。


 勉強面も、別のことも。


「あら、ちょっとごめんなさい」


 突然お母さんのスマホが鳴りだした。


 それが職場からだったみたいで、お母さんは桐島さんに謝りながら電話を取るために一回部屋の外に出て行った。


 自分のことなのにあたしは蚊帳の外で、最後までなにも言えないまま今日が終わろうとしている。


 ……これで、いいの?