授業料は聞いて驚いた。まさかの時給二千円。


 あたしは週四日で各二時間半だから、一週間だけで二万円もかかっていることになる。


 その金額を聞いて意識が遠のきそうになった。


 だって、あたしの勉強代だけで月八万は軽く超えてしまうわけだから。


 どこからそのお金を捻出してくれていたのかはわからないけど、困っているっていうのは本当のことなんだろう。


 だから、これは決定事項で、あたしがいくらお願いしても無理なものは無理なんだ。


 だってこれは契約で、お金が発生していることだから。


 模様替えをしたあたしの部屋を見て「こういうのもいいな」って桐島さんが褒めてくれたのが、ずっと前のことのように感じる。


 たくさんの丸がついた答案を見て自分のことのように喜んでくれた笑顔も。


 突然のことに、あたしはそれだけショックを受けていた。