流れていく風景に、風も感じない神秘の状況を、どうして不思議に思わないでいられる。少女は呆然と、ショウは不思議な瞳で白い機体を見上げていた。
『やっぱり、逃がしてくれないかっ』
苦々しく言い、剣は粒子となって消え右手を背後に翳した。
再び張られる五亡星の盾。
ただし膨らんだ円状の物ではなく、菱型に尖った円錐状。
出現と同時に走る、幾筋の閃光。ぶつかり弾け、あらぬ方向へと飛んでいく。
背後を見れば、巨大な物体が浮いていた。
「……なんだ、あれは?」
黒い円筒形は一見柱に見え、その中央に集まるどす黒い光が異質を演じる。
収束していく光は凶悪に、獲物に向かって咆哮を上げた。
円錐の盾に当たって、黒い光は彼方へ飛んだ。これがもし先ほどまでの盾であったなら、間違いなく防ぐ事敵わず硝子のように砕け散っただろう。
だがそれも、こうして形状を変えただけで別物でない以上、
『っぁ……!』
罅が入り、次の攻撃に持つはずもない。
黒い光は衰える事なく、庇うために背中を向け、毒々しい悪意の塊は飢えた獣の牙を剥き、突き抜ける激痛に白い天使は悲鳴を上げた。
『やっぱり、逃がしてくれないかっ』
苦々しく言い、剣は粒子となって消え右手を背後に翳した。
再び張られる五亡星の盾。
ただし膨らんだ円状の物ではなく、菱型に尖った円錐状。
出現と同時に走る、幾筋の閃光。ぶつかり弾け、あらぬ方向へと飛んでいく。
背後を見れば、巨大な物体が浮いていた。
「……なんだ、あれは?」
黒い円筒形は一見柱に見え、その中央に集まるどす黒い光が異質を演じる。
収束していく光は凶悪に、獲物に向かって咆哮を上げた。
円錐の盾に当たって、黒い光は彼方へ飛んだ。これがもし先ほどまでの盾であったなら、間違いなく防ぐ事敵わず硝子のように砕け散っただろう。
だがそれも、こうして形状を変えただけで別物でない以上、
『っぁ……!』
罅が入り、次の攻撃に持つはずもない。
黒い光は衰える事なく、庇うために背中を向け、毒々しい悪意の塊は飢えた獣の牙を剥き、突き抜ける激痛に白い天使は悲鳴を上げた。