突入、そう叫んだ声に従い一気に残った大半の部隊が侵入していく。
 その先頭はゼムが、直後をしっかりと亮太が付いてきていた。外の光景はもう知れず、何もわからない亮太は、ただダージュが心配だった。
 ケルベロスの損傷は激しい。何体もの味方も艦もあってそれでも『神殺し』の砲撃の前に、これで二隻目の被害が出た。
 高機動部隊からの連絡はない、任務達成という賞賛すべき凱旋の声が。

 さあ、どうしてこうなったか。
 ベストを選んだ選択が、なにやら自分の首を絞めた結果になった気がする。
 まあ、望むところではあったのですが。

 通称『神殺し』の宙域には予想外なほどの勢力があった。既に壊れかけてしまったそれを守るため、展開された部隊の数は半端ではなかった。
 一陣、二陣とあまりの大群、結果ここまで来られたのは私一人だけ。だが、落とされたわけではない。おとりになってもらい戦線を離脱、外の部隊が潜行、これの繰り返し。そして気づけば私一人だった。