『何故と言うのならば問おう、何故関わったのだ。見過ごす事も出来た、捨て置く事さえ出来たはず。そうしなかった、君が招いた結果だ! 悪魔と関わった現実が、これなのだ!』

 やめてと言って逃げ出して、助けてと言って嬲られた。
 他人が怖くて、それでも見捨てられなくて、こうして悲しい思いをしている。

『答えてやろう、そうすべて……君が選択したが故に起こった悲劇!
 すべて、その悪魔に関わったために起きた惨劇だ!
 思い出せ、あの時もお前が皆を殺したのだ!』

「、――――――――っっっ」

 耳を塞いで泣いている。内にいる人を放り出して、淡い光に包まれて泣いている。とても痛々しい表情で、泣き腫らし続けた瞳が悲しい。
 何時かの何処かで、見た事がある光景だった。
 殻に篭るしかなくて、どうしようもないから膝を抱えていて。
 本当は助けを求めたいのに、それさえもどうしていいのかわからない。

 手を伸ばし、優しく触れたかっただろう。
 助けてあげたいと、その手を伸ばしたかっただろう、ショウよ。
 しかし悲しいかな、その壁は心が具象化したもの。
 触れる事さえ出来ない壁、心の壁。