誰にでもいい、誰が答えてもいい問いは、果たして答える者がいた。

『何故と? いまさらそんな事を言うのか、君は! 戦争が起こった、災害が起こったこんな時に!』

 興が乗っているのか、やけに饒舌だ。
 誰かがそんな事を考えた。

『起こるべくして起こった現実! 君が選択してきた未来! 幾度も通り過ぎてきた過去! すべての原因は何か!』

 何処か、暗い闇の中にいる。
 何もない中で、誰かが手を伸ばしていた。
 祈るように求めるように、虚空を彷徨う小さな手。

『すべては必然だったのだよ、君がそれとであった瞬間から! 選択権は君に委ねられ、それは自ら責任を逃れようとした、業を君にも背負わそうとした!』

 泣いている、悲しくて。
 泣いている、辛過ぎて。
 泣いている、責められすぎて。