『敵新兵器を『神殺し』と命名。
これを攻略するべく本艦が率先して戦闘に参加する。援護されたし』
「……なかなか、無茶をなさる方だな」
無茶を言う、難題を解きにかかる。だが無理は言わないしない。それが気に入った。
通信が届く限り、連絡がつく部隊員に呼びかけた。母艦ケルベロスの特攻に、我らも続くと。
長い事飛び回っていたせいか、何人に繋がっただろう。応答は一切ない、ダージュとヴァイフェが付き従ってここまできた事は確認済みなのだが。今は声さえ聞こえない、送った指示が帰ってこない。
「(いつまでも呆けてはいられないな。仕方ない、さっさと向かうとしますか!)」
命知らずというべきか、充分な恐怖を与える存在を前に、彼は笑っていた。
戦える事を、心から喜んだ笑顔。
先攻した部隊に続き、彼もまた『神殺し』の名を持つ砲台へと向かっていく。
兵士は騎馬に劣る、騎馬は戦車に劣る、砲台を守る輩は間違いなく戦車である。例え何人で掛ろうが敵わない。必然である、覆しようがない。
何故に、彼らは行くのだろう。