「――――第二波、射出されました。オーディン、撃沈」
「っ……敵砲台を、これより『神殺し(ラグナロク)』と命名します。近隣の部隊へ通達、これを攻略します」

 犠牲は無駄にしない。
 これだけの脅威を放っておけない。
 メディア率いる数機の小隊で、強大な神話に挑む。

 黄金の光が走っていった。
 闇夜の如き空間を切り裂く色は美しく、禍々しさを感じるほどに魅了された。
 我らが主を守るため奔走していた兵士らでさえ、永劫という瞬間に捉われていた。
 ゼムは、その光をひどく嫌っていた。
 忘れてはいない、その光が母艦を焼いた事。
 その光が、何人もの味方を焼き払った事を。

 電子音で我に返った。
 ケルベロスから伝えられた、新たな作戦指示。