幹部が勢ぞろいしたブリッジで、事細かく迎撃指示が飛び交っていた。
 強大すぎる武装ではあるが、一つの惑星をたった一人で操れるわけがない。もとより、実践すら初めてなのだ。戦いに関して無知な者など一人もいない、だがこれほどのものを一回も使った事がないのでは。
 武装を見た、造りを見た、性能を見た。
 現実離れした神がかり的な物。
 それを前に、慢心を捨てるなんて事ができただろうか。
 そのツケが、これだった。
 的外れ、大雑把、適切な指示を出せずに大差ない被害ばかりが増えていく。
 星そのものが滅びるほどはありえない、それだけに苛立ちや混乱は隠せない。
 何故ここまで苦戦を強いられるのだと、彼らは口を揃えて嘆いた。
 自軍の有能さを妄信しすぎたあまりに、これより先の戦局を左右する力はない。
 ただ一人を除いて。