「冗談ではない! 貴方ほど悠長に事を待ってはいられない、応戦させてもらいます!」
「ご自由に。戦いは貴方の本分。ただし、指示を出した時には従ってもらいますよ」
「言われるまでもない!」

 この老人の戯言に付き合っていられるか、罵りの単語は嚥下された。
 知識しか持たない古木が何を言い出す。惑星Direction(支配する) Wing(翼)の頭には、何も言わせない。
 何も知らない若輩者は、どう優勢に事を運ぶか深慮しながら迎撃隊を出した。
 その後ろで、鷹のように鋭い眼をした者に気づく事なく。

 来たか、過去の遺物。存在を許されない、死ななくてはいけない種族共め。この星が、貴様らの墓と知れ。貴様らの言語でDirection(永久の) Wing(墓穴)を意味する星、この意味は伝わっているのかな?

 誰も気がつかない。陰惨に笑う彼の姿に、殺意以上の狂気に身を焦がす存在に。
 誰かは気付いただろうか。
 墓を用意された種族たちは。
 独りよがりの恨みに、どう生き抜く事が出来るのか。