ＥＸＣＡＳ

　馬鹿な、と幹部の一人が言った。
　ブリッジに響き渡る警報と、被害状況の報告が現実離れしていた。

「どういう事です！　何故、あんなエネルギー体が防御壁を突破できたんですか！」
「落ち着きなさい。何も、不思議な事はないでしょう」
「どうしてそう落ち着いていられる！？　絶対の防御と言った、貴方の策は口から出任せか」
「単に、こちらの知識を上回る存在がいた。それだけの事」
「知識を上回る？　数百年を生きたと言われる、貴方の知識を上回る者がいると？」
「そのような迷信を信じられても困りますが。私の知識はね、人間専門なのですよ。本当の魔術というものは、理解に苦しむ」
「本当の魔術？　一体、何の事だ」
「魔術兵装のオリジナル。それが、どうして量産された物と同等と判断できましょう」
「……では、あれが……？」
「オリジナルの破壊力。この星の防衛機能を麻痺させるほど、深刻なダメージを与えてきましたか」