小雨の閃光が敵を射抜く。
 無論すべてが実弾とエネルギーのセット。
 誰がその攻撃をかわせようか、そう先遣隊の面々は思った。
 現実は、甘くない。
 巻き込まれ四散したのは一握り。狙われた中で、の。
 一度見た攻撃、ネタはもう割れている。どちらにしろ、当たらなければ意味はないのだから。
 攻撃を回避したと同時に、それらを追って四つの星が流れてきた。
 別れて飛んだ合間を縫うように、通り過ぎた機体から両断される。何ていう事はない。その手にした剣で、ゼロ距離で断ち切っただけ。
 高速を行く軌道を、突如転進させられる人間などいやしない。
 機体が高性能で、パイロットがいかに有能でも。天才の粋に達していない凡才程度では。
 一度の死合いで十機もの機体が落ちた。
 信じられない快挙に、敵味方問わず我を忘れた。

 傷一つなく減らされていった部隊を背に、一機のOSが敵母星を見渡した。
 損傷どころか汚れ一つない機械の惑星。
 それを見て、ただ一言。

『ダージュ。やれ』

『了解』

 強大な砲筒を持っていた。人間と大砲の比率はある、巨大な兵器。
 照準がロックされ、撃鉄が落ちる。様々なゲージが異常な数値を叩き出す。
 撃てば間違いなく壊れるだろう。それがわかっていながら、躊躇う事はない。

 やれと言われた、隊長に。
 自らの上官、信じあえる友に。
 どうして頼みを断れるか。

 引き絞るように、
 願うように、
 鋼鉄の剣を振るう。