『全機、実弾兵装に切り替えろ。どのような改良が加えられているか知れない、接近は危険と判断しろ』
『隊長、二時の方向の衛星下部にハッチが。開いていきます!』
『敵の増援かもしれん。警戒しながら散開せよ、衛星への攻撃も忘れるな!』
『敵機数十三、四、五……まだ増えていく! 二十を過ぎたというのに!』

『……っく、こいつらも同じ材質で出来ているのか!? ビーム兵器が効かない!』
『冗談じゃない、この敵速い! かすりもしない!』

『まったくダメージを与えられないなんてあってたまるか! 敵本星に攻撃を!』

『な、何だこの火力は!? かわし切れるわけっ……』

『こ、これが機関砲だとでも言うのか!? こんな高出力で……!』

『全機離脱! 戦闘区域から離脱し、大勢を立て直』


 ――ザーーーー。


 ノイズが走った。
 スピーカーからは、けたたましいまでの男たちの声が届かない。
 全滅なのか、電波妨害による通信切断か。
 後者である事を、是非望もう。