場を弁えているためか、その後数分でお開きになった。

 片付けをしておくと言う隊長たちの言葉を信じて、先に詩絵瑠を部屋まで連れて行った。
 穏やかな顔で、
 静かな吐息で、
 柔らかな肢体がすぐそこにある。
 やはり酔っていると自覚しながら、弱くはない理性を崩さないよう心がけながら運んでいく。

 彼女の部屋はそんなに遠くはなかった。
 鍵も掛かっていない、暗い部屋を物色せずベッドに寝かしつけた。
 苦しかったのか、艶っぽく吐息が乱れた。
 白歯の奥から濡れた舌が覗く。乱れた衣服が扇情的で、速かった鼓動が早鐘を打つ。
 知らず顔が寄っていた。
 年相応の整った顔に、潤った唇に。

 最低な行為であるという自覚はあろう、それでも身体は止まらない。