隣に立ち、同じく外を眺めた。
 その瞳には、違う物が映っているのではないかと。そんな事を考えた。
 本当に、何気なく思っただけだ。
 今までにない発想だった、途端冷たい風が吹いた。
 止まない風は、胸の中で啼いている。

 正体もわからず、ショウはレナの手を握っていた。
 無意識の行動だったが、それで少し風が治まった。

 どうかしたんですか、とレナは訪ねた。
 それに答える事なく、思いの正体を掴み始めた。

 冷たいだけではなく、切なくさせる。
 近くにあるものが遠く感じられて、手を伸ばせば届くのに離れていくような。

「……これが、寂しい。っていう、事かな」

 どうしたら止んでくれるのか、解決方法はわからない。
 手段も浮かばなければ、身動きは取れないのに。
 昔の彼なら情けないと言う。
 あらゆる思考を置いて、第一に願望がやって来た。


 ――その目線に辿り着きたい。