誓いを胸にデータを立ち上げる。
 あれらは脅威な力を持っていない。
 少なくとも、あの悪魔さえ使いこなしていないから。
 なればこちらに勝機はある。この身が朽ち果てるまで、負けは存在しない。

「見ているがいい、魔術師共よ。お前達が、幾度この世を滅ぼしに現れようと、私が必ず討ち取ってくれる」

 目まぐるしく変化するデータ、その様子を見ているだけで狂ったように笑い出す。これから起こる、最後の戦いの勝利を目前としているから。
 休憩時間は、あと一日。
 長いかそれとも短いか。
 どちらにしろ最後の幕が開けば休符はない。コーダもダ・カーポもない、クレッシェンドとフォルテッシモで奏でられる葬送曲。