この射的屋で使われているハンドガンは本物。弾はゴム製だが、反動はまさに撃った時のそれと同じ。銃器の扱いは高校生になってから資格で取れる。軍関係の職や候補生を目指すなら必須。故に学院でも大多数の学生が取得している。そこで、この三人の腕前は。
 青い顔で俯く店員、高価な品はほとんど取られていた。
「勝ち目がない勝負はするなと言ったけど、ここまで圧勝とはな」
「ふん。悔しくなんかない、ちょっと調子が良くなかっただけ」
「当たり前だぞ、俺たちの実力はこんなもんじゃない」
「じゃあ第二回戦だな。資金ならいくらでもある」
「諦めなさい。彼に賭け事で勝つのは無理。賭け事だと異常に強くなるし」
 ランサーは小物を二つ、亮太は大きな物を一つ。ショウは弾数と同じ数だけ景品を取っていた。
「はい、お嬢ちゃん。ほしかった物はこれかな?」
「うん! ありがと、お兄ちゃん。お母さん、これ貰ったよ」
「すみません、この子のワガママで」
「気にしないでください、ほしかった物がなかったので」
 物がないのなら取らないでほしい、店員は切にそう思った。