泣き疲れたショウは横長のベンチに横になっていた。
 柔らかい枕に頭を埋めて、眩しい輝きを腕で遮って。大丈夫、と言葉が振って来る。
 何処から、頭の上から。
 誰の、ショウの。
 誰の、声が。
 もちろん、レナの声が。

 細く長いベンチの上で、二つの身体が重なっていた。
 一人は寝転がり、一人はその頭を膝の上に置いて。

「……なんだか、情けないところをみせてしまったな」
「そうですね。でも、もちろん、わたしにだけでしょう? そんな、情けないところは」
「ははは、そうだね。本当、助けてもらってばかりで、頼りにならない。泣けてきた」