「本当? ねえ、おねえちゃん、大丈夫?」

 信じる人がいた。純粋無垢な少女が。
 苦しい言い訳と騙した事に居た堪れないのか、曖昧に笑って視線を逸らした。

「少し休ませた方がいいかもしれない。どうだろう、よければ明日会わないか? 今日はあまり話せなかったし、多分、明日が最後の機会だろうから」
「おねえちゃん、もう無理なの?」
「う~ん、お兄ちゃんも少しだけつらいかな? 明日になれば、二人とも元気一杯だから」
「わかった! お母さん、また明日ここに来よう!」
「お兄さん達がいいって言うから、構わないわよ。明日は、一杯お話できるといいね」

 元気よく頷いてリンは答えた。
 母親と手を繋ぎながら、公園から出て行った。

 そうして静寂が訪れた。
 外はたくさんの人と音が出入りしているのに、不可視の壁に阻まれて。
 外と内では、世界が違った。