「しっかり頼みますよ、佐伯さんっ!」
流石のショウも、声が震えていた。恐怖からではなく、成功した事に実感がわかないのだ。
だがそれをそうさせたのは、過ぎ去っていく呆然とした巨体と喜びの歓声を上げる友人たち。
それは勝利の余韻。それは言い換えると油断。
「うわあっ!?」
衝撃が車を揺らす。悪質な物ではなく、純粋な振動。車が出していた速度は常軌を逸していた。なれば衝撃も、しがみついていなければ振り落とされそうで。
ショウが車から飛ばされても、おかしくはなかった。
急停止、幾度となくスリップしてタイヤ跡をつけ横倒しになる勢いだ。
そんな事は気にしていられず、弾き出された友人の姿を探す。
「いたっ!」
声を出したのは詩絵瑠だ。彼女が指差す先に、絶望に瀕したクラスメイト。
その片手は垂れるケーブルを掴み、橋から宙吊り。ケーブルの長さは二メートル弱。這い上がれなくないだろうが、片手にはハンドガン。離せばいいのだが、時間がそれを許さない。
流石のショウも、声が震えていた。恐怖からではなく、成功した事に実感がわかないのだ。
だがそれをそうさせたのは、過ぎ去っていく呆然とした巨体と喜びの歓声を上げる友人たち。
それは勝利の余韻。それは言い換えると油断。
「うわあっ!?」
衝撃が車を揺らす。悪質な物ではなく、純粋な振動。車が出していた速度は常軌を逸していた。なれば衝撃も、しがみついていなければ振り落とされそうで。
ショウが車から飛ばされても、おかしくはなかった。
急停止、幾度となくスリップしてタイヤ跡をつけ横倒しになる勢いだ。
そんな事は気にしていられず、弾き出された友人の姿を探す。
「いたっ!」
声を出したのは詩絵瑠だ。彼女が指差す先に、絶望に瀕したクラスメイト。
その片手は垂れるケーブルを掴み、橋から宙吊り。ケーブルの長さは二メートル弱。這い上がれなくないだろうが、片手にはハンドガン。離せばいいのだが、時間がそれを許さない。