ショウは、強くアクセルを踏んだ。地響きのような音。異常事態と判断したEXCASは、即座に前方に照準を合わせた。
走ってくる車に乗っているのは、全部で六名。
対象は四。運転手の学生と、後部荷物置場に乗っている三人。
これが人間ならば困惑しただろう。可能性を棄てきれない者が高速で向かってくるのだ。高性能のセンサーを持っていても、同時に捉えられるわけもない。
『止まれ。さもなくば発砲する』
無駄とわかって警告。無駄と理解していたからこそ、照準は既に運転手に向いている。それが適性者だとかそうじゃないとか、考えている余裕がなかった。
任務優先の人工知能が、ただ車が走ってくるだけで余裕がなくなるのか。だがEXCASからは余裕が失せていた。あと一メートルも近付かないで、側頭部の自動小銃が火を吹くだろう。しかし、
『何――?』
困惑、それは有り得ない困惑。運転手が席を立ち、ハンドガンを構えれば、誰でも。
高速で移動する車体、その上で銃口は振動にずれる事なく、しっかりと顔面を捉えていた。
走ってくる車に乗っているのは、全部で六名。
対象は四。運転手の学生と、後部荷物置場に乗っている三人。
これが人間ならば困惑しただろう。可能性を棄てきれない者が高速で向かってくるのだ。高性能のセンサーを持っていても、同時に捉えられるわけもない。
『止まれ。さもなくば発砲する』
無駄とわかって警告。無駄と理解していたからこそ、照準は既に運転手に向いている。それが適性者だとかそうじゃないとか、考えている余裕がなかった。
任務優先の人工知能が、ただ車が走ってくるだけで余裕がなくなるのか。だがEXCASからは余裕が失せていた。あと一メートルも近付かないで、側頭部の自動小銃が火を吹くだろう。しかし、
『何――?』
困惑、それは有り得ない困惑。運転手が席を立ち、ハンドガンを構えれば、誰でも。
高速で移動する車体、その上で銃口は振動にずれる事なく、しっかりと顔面を捉えていた。