「おい、勝負しよう」
「勝負事なら負けないぞ、今度こそ」
「以前そんな事言って、彼にトランプで惨敗してなかったかしら?」
「そんな事はない。カードゲームには弱くても、射的ならどうよ?」
「どうよ、と言われてもねえ……本人はどうなの?」
 ステイ零四の中にあるフロンティア高等学院。年に一度の終業式を兼ねた二度目の文化祭で、彼ら四人はそこの学生。
 休憩時間なのか、はたまたサボタージュか、制服の上に『秋茶屋』とロゴが入ったエプロンをつけていた。頭にはバンダナ、学校指定の制服の上に掛けられた茶色のエプロンが滑稽だ。親しみやすい、と言った方がいい。 
 射的屋で銃を構えているのは水上亮太とランスリット・シーサー。ランサーは渾名。さらに女子、藤咲詩絵瑠のクラスメイトだ。そして呆れたように銃を構えるのが、
「いいだろう。ショウ・ステイアス、お相手しよう」
 不適に笑う少年が、この物語の主人公。