イクシアスになったショウと、EXCSAとなったレナが駆逐艦・シリウスから離れていく。
 事前の打ち合わせで、二人手分けして交戦中の部隊を救う事になっていた。
 まずは付近から、苦戦しているだろう味方の救出作業に入る。

「(さて……この辺りのはずなんだが)」

 鉱山地帯から少し外れた、限りなく近い居住区。交戦反応があった事を調べてあった。
 反応は見知った零七小隊のもの。だが、それは詩絵瑠が確認する前に彼が消してしまった。
 間違いであろうと蛇足にはならない、果たしてそう判断しての事だけか。
 最短距離で、高山地帯との境目まで向かう。
 そこでは、確かに熱源反応がいくつも交戦していた。
  魔力を飛ばし、確実に電波を傍受する。機械系統ほど、単純かつ明快なものはない。

『くそ、敵はまだ尽きないか。数が多すぎる、という事はないが。今までの戦闘で、補給しない事には』
『泣き言は後にしろ、元学生。死にたくなきゃ、撃ち続けろやっ』

「(聞き慣れた声に、これはヴァイフェさんか。交戦反応が五対七で間違いないな)」

予想は確信へ、仲間を助けるために加速する。