邪魔なものを蹴散らして、壊して、潰して、砕いて。
 無茶苦茶ながら進んでいた。
 自分に正直に、
 他人に我侭に、
 欲望に忠実に、
 目指すものは唯一つ。

 今以上の娯楽のため。
 今以上の狂喜のため。
 今以上に自分のため。

 エゴの塊とでも言えばいいのか。その存在は散り逝くものに目もくれない。
 過ぎ去ってしまった事に興味は無く、これからの事にしか目を向けない。
 過去を顧みない、先行者。
 その在り方は、なんて。



 腹立たしいんだろう。
 狂おしいほどに。



『……ショウさん?』

 レナの声で、視界が戻る。
 胸中に渦巻いていた干渉も、影も形もなく消え失せた。

 ふと、通信が入っている事に気付いた。
 それを知らせてくれていたのか通信を聞く。