「……しかし。任せろと宣言した以上、責任を果たさないと」

 溜めた魔力をHI-LITEに注ぎ込み、この一発で敵を減らす。

『まったく。また無茶ですか?』
「……急に声をかけると驚いて落ちるぞ」

 背後に立つ存在に答えた。
 それは微笑んで、前に回ってきた。

『無茶はしないで、一緒に戦いましょう。そのために、わたし達はいるんだから』
「その通りだ。力を借りるぞ、レナ」

 EXCAS-LENAの胸に『古き印』が展開される。
 併せて、翳した右掌にも『古き印』を。
 互いのそれが共鳴し、視界を焼くほどの閃光に包まれた。
 気付くと懐かしいコクピットの中。彼女の視点ではなく浮いている。足場は『古き印』、イクシアスの状態は変化が訪れている。
 黒赤の鎧ではなく白翠の鎧でEXCAS。装備していた魔術兵装はレナの手にあり、中にいる自分には実体のない白影になっていた。
 足の先からリンクする。自分の状態を機械的に理解させ、異なる存在へと変わっていく。自分ではない何かが侵入し、一つになる感覚。病原菌で床に伏せていた状態から回復した爽快感。不可能を可能に出来るという確信。
 予感や予想の不安定さは排除され。
 絶対の勝利を秘めた存在に生まれ変わる。

『準備はいいですか?
 前方、二時の方向から敵機四から六機へ』
「了解。さあ、始めるとしようかっ」

 白銀の刃を振り上げて、
 右の黒赤リボルバーCASTER(キャスター)と
 左の黒青リボルバーJOKER(ジョーカー)を腰に携える。
 四枚の白翼を鳥のように広げ、向かってくる敵を撃退する。