やはりというか、そうは問屋が卸してくれなかった。
 自分にはOSのようなセンサーはついていないが、色が変わった瞳がその役割をしている。
 蒼い瞳が自らの魔力量に比例した距離内の敵味方を識別し、翠の瞳が魔力探知センサーとなっている。
 敵は赤く味方は青く、横にあるメモリが魔力を示し、EXCASの判別ができる。
 近付いてくる機影は四つ。
 どれもEXCASである。

「(……これは、分が悪いな)」

 ウイングを展開し魔力を高めながら、そう判断した。
 この一戦で相手にした限りで三体はいたが、すべてが油断も躊躇もなく魔術兵装を使ってきた。
 こっちの存在を熟知した対処を取られた。おそらくは以前逃がしたあの機体から情報が伝わったのだろう。
 簡単に接近を許してくれない。斬撃を延ばしてもシールドで軽減され致命的な損傷を与えられない。一体を倒すために魔力を使えば障壁が薄くなる。間違いなく苦戦する。