渋々ながら亮太とランサーは後ろへ。時間がないのか、カタカタ震えている佐伯はそのまま助手席。ショウが連れてきた少女は、既に後部座席に。
この人数が乗るには無理があると思えたが、この車は作業用。屋根がなく荷物の配達に使われて、既に終わったのか後ろは空いていた。詰め込むほど窮屈ではないが、何故詩絵瑠は少女と手を繋いで端をしっかり掴む。首を傾げる亮太。ふと、気になったランサーは言う。
「質問です。ショウさん」
「発言を許します」
何故か偉そうだ。しかし態度はどこかおかしい。具体的には、ランサーの事を見ていない。ハンドルを握り、運転席の周囲を見渡し。どうしてかランサーを不安にさせる。
「貴方は免許を、持っていますか?」
「愚問だな、ランサー」
偉そうなまま不適に笑う。ゾッと、亮太の背筋を襲う悪寒。震えていた佐伯はその声で正気に戻る。詩絵瑠は苦笑い、困惑する少女を抱き締めた。
「乗り物は勘で何とかなる。腕を証明する物なんていらないさ」
グン、と強烈な加速。振り落とされるなんて生易しいすぎる。ジェットコースターより強く、吹き飛ばされそうなほどの勢い。
結局無免許運転じゃねえかぁあ、というランサーの断末魔が流れていく。
この人数が乗るには無理があると思えたが、この車は作業用。屋根がなく荷物の配達に使われて、既に終わったのか後ろは空いていた。詰め込むほど窮屈ではないが、何故詩絵瑠は少女と手を繋いで端をしっかり掴む。首を傾げる亮太。ふと、気になったランサーは言う。
「質問です。ショウさん」
「発言を許します」
何故か偉そうだ。しかし態度はどこかおかしい。具体的には、ランサーの事を見ていない。ハンドルを握り、運転席の周囲を見渡し。どうしてかランサーを不安にさせる。
「貴方は免許を、持っていますか?」
「愚問だな、ランサー」
偉そうなまま不適に笑う。ゾッと、亮太の背筋を襲う悪寒。震えていた佐伯はその声で正気に戻る。詩絵瑠は苦笑い、困惑する少女を抱き締めた。
「乗り物は勘で何とかなる。腕を証明する物なんていらないさ」
グン、と強烈な加速。振り落とされるなんて生易しいすぎる。ジェットコースターより強く、吹き飛ばされそうなほどの勢い。
結局無免許運転じゃねえかぁあ、というランサーの断末魔が流れていく。