時は流れ続け、やがて偽者と差し支えないEXCASが誕生した。
 記憶から消え去った『イクシアス』から取られた、何千分の一の力しかもたない存在が、人の手によって造られた。
 魔術という、人にしか与えられなかった力の一部が、誰かの手によって解析されたおかげで。
 力の片鱗を持った、眠った存在を見つけた。
 上手く力の使えない試作品TYPE-00を。
 長い時を経て発見し、追いかけ見失い、再び見えたときには魔術師を見つけているという。
 虚ろな瞳が現実に向き直り、口元に陰惨な笑みを浮かべた。
 容赦はしないと、白い天使ではなく幼い少女を思い描いて老人は高らかに笑う。
 幾日かの夜の後……
『レナを裁くモノ(Judgment・LENA)』が動き出す。