唐突に目を醒ました『イクシアス』は、文字通り悪夢だった。
 幸福はみせようともせず、あらゆる災厄を繰り広げた。
 意味もなく国同士が争いあい、一夜にして地図から一つの町が消え、骨も血もなくなり肉塊だけが残った村などいくつもあった。
 夢だ夢だと叫んで消える人がいた。
 嘘だ嘘だと泣いて血に伏す人がいた。
 夢だ夢だと狂って嗤う人がいた。
 嘘だ嘘だと微笑み血を啜る人がいた。

 悪夢は一年続き、一つの星が死んだ。