ザッブーンッ、 ザッブーンッ
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海の波の音がこんなにも、まじかにあるんだ。びっくりしている。今でも、信じられない。自分の足元に海の海水があってこんな大きな海に私もいるんだ。オレンジに染まった太陽が海に反射していてそれは病院なんかでみる何百倍も綺麗で美しかった。

ずっと、見とれていられるくらい本当に美しかった。



私は、少年に声を掛けた。
「ねぇ、どうして。どうしてつれてきてくれたの?どうして私なの?私なんかに見せて良かったの?こんな綺麗な海」
そう、私が真っ直ぐ海を見ながら言うと、少年はうっすら笑って、優しそうに
「どうして?か。うーん、なんとなく、君に見せたかったから、かなっ?!まぁ、言葉にしようとしたら難しいかな。でも、病院のベッドからじゃ絶対に見られない綺麗な海を外を見て欲しかったんだと思うよ。」
少年がそう言うと、私はいつのまにか笑っていた。
「綺麗...。本当に綺麗。」
私がそう呟くと、少年はこちらへ向いて優しく頷いた。そんな少年がとても愛おしく愛おしく見えたのは、気にせいなのか...。