父のその一言の意味を、私は理解した。



覚悟があってやっているんだな。と...。



私は、
「私は私自身の為に歩きたい。人に迷惑もかけるかもしれないけど、それでも私は、前へと歩きたい。ずっと、こんな所でひとりなんて嫌だった。」
自分の目に涙がたまっていることは、目に手をこすらなくても分かった。

「俺も、自分の為にこいつを外へ連れ出しました。勝手な事も、皆さんに迷惑や、心配をかけることも全部分かっての事です。本当にすみません。でも、後悔はしていません。覚悟もできています。」
そう言って、うっすら笑った結城は、誰よりもどんな時よりもかっこ良かった。