本当に父の姿は、私を下へと引きずり落とした。
それに気づいた結城が、そっと
「大丈夫。俺いるから。みえなくなっても、ずっと隣にいるから。」
にこっと笑って、そういった結城がとてもカッコよく見えた。
「ありがとう。」
私も、そう言い返すとまた、にこって笑った。





「どうしてだ。」
突然だった。父からの問いかけだった。
久しぶりにあって、わらって話す事もなければ、挨拶も名に一つなかった。ただ、一つの問いかけだけだった。

それが、何の質問なのかもなんとなく分かった。
「外へ行きたくて、ちゃんと目の前で、足に少し水をつけて海を見たかった。だから、ここから、出ました。」
私がそう答えると、
「そうか。」