一旦家に帰り

制服からスウェットへ着替え

啓太と千尋の住む団地へと

原付を飛ばした。


地元から校区外とは言え

境目程度に私の家はあるから

地元の区域へも5分あれば着く。


カブのノーマルなバイク音を響かせながら

いつも溜まり場にしている

団地内の集会場へ着くと

音で気付いたのか

啓太と千尋がこちらを向いていて

「早くしと」と言わんばかりの顔で

2人共がタバコをふかしていた。


『2人同時に吸ったら煙いじゃん』と

カバンの中から取り出したタバコに

私も火をつけ

吸い込んだ煙を吐き出しながら

2人の横に腰を下ろす。


「お前まで吸ったら余計煙いわ!笑
 
 ってかまだマイセ吸ってんのかよ」

タバコを吸い始めた頃は

タールの低いメンソールを吸っていたけど


高校2年の夏に

マイルドセブンのスーパーライトに変えた。


‥悠二サンが吸っていたから。


それ以来すっかり慣れてしまって

未だに変えられずにいた。


その事情をこの2人は知っているから

突っ込まれるのも無理はない。